真夏の炎天下ってどの様な状況か想像してみてください。
気温は37度ぐらいで湿度も60%はあるでしょう。
ジメジメして気持ちの良いものでは無いですよね。
このような真夏の炎天下って、牛丼屋さんのテイクアウトで生卵が持ち帰れないぐらいなのです。
そんな環境のなか、生卵を数時間そのままおいておくとどうなるでしょうか?
きっとものすごく異臭を放っていると想像がつきますね。
そんな生卵を食べようなんて思わないでしょう!食中毒でお腹を壊す事になりかねません。
実はこれは、腸内の環境そのものなのです。
これが、あなたの腸内で起こっていたらどうですか?
生卵=タンパク質です。
37度で湿度60%の中でタンパク質が長時間放置されていると・・・
そう、食中毒を起こすかもしれない環境下なのです。
消化器外科医でヘルスコーチでもある石黒先生の書籍にある、節食生活の重要性についての説明を詳しく見ていきたいと思います。
私たちには食べたものを消化したり、エネルギーを生み出す必要があります。そこで、活躍するのが酵素です。酵素が生化学反応を助けて消化やエネルギーを生み出すのです。
そして、体内には、約2000種類の酵素が存在していると言われています。
そして、酵素はタンパク質で出来ているので、タンパク質が細胞にとって重要な物質であるのは間違いありません。
身体に良いものを摂取する事を意識している人も多いでしょう。
でも、タンパク質の分解能力が落ちている状態ではどうなるのでしょうか?
分解されなかったタンパク質はペプチドとなり、消化されずに大量に腸に残ります。
腸に残っているペプチドは腸内細菌を腐敗させるのです!
腐敗によってアンモニア・アミン・インドールとなり臭いの元となります。
便中のアンモニアはタンパク質摂取量に比例しますし、尿や呼気、
そうです、口臭の原因ともなっていくのです‼
腸管通過時間って何?
腸管通過時間って耳にしたことあるでしょうか?
私たちが食事をしてから排便されるまでの時間を腸管通過時間と言います。
食事は胃の中で消化されて、少しずつ腸の中に送り出されます。
初めに腸に送り出された食物は3~4時間で大腸に到達します。胃の中のものが全て排出されるまでにかかる時間はだいたい4.5時間ほどです。
胃から小腸、大腸と順番に進むので、7~8時間で食べたものが大腸に到達することになります。
小腸は身体の中でも一番細長い臓器で約5~7m。テニスコート1面分と言われています。
曲がりくねったチューブ状の小腸を通過してようやく大腸に到達するのです。
この腸管通過時間のうち、大腸の前半部分と後半部までどのくらいで通過するのかも検討されていますが、便秘のない男性で約7.2時間。便秘のない女性では31.8時間です。(日本大腸校門病会誌による)
なんと、男性と女性とでは便秘がなくても4倍ほどの違いがあるのです。
さらに、便秘の女性の場合はなんと腸管通過時間は約110時間と言われています。
便秘のない男性の約15倍以上
便秘のない女性の約3.5倍です。
そして、110時間というのは実に5日近くも腸の中にいるという事なのです。
先ほどの、真夏の炎天下を思い出してください。
気温37度で湿度60%の環境下に110時間生卵を放置していると・・・
腐敗臭もひどく、腐敗産物も多くなっているでしょう。
腸の中でも、5日以上消化されていないタンパク質が腐敗しているので、ペプチド分解物である腐敗産物によって健康状態を悪化させています。
毎日排便があるのに便秘の不思議
便秘の人とそうでない人では、同じ女性なら腸管通過時間が3.5倍以上、男性と比べると実に15倍以上あるとお伝えしましたが、他にも気を付けないといけない事があります。
例え、毎日便が出ていても《便秘》という人がいるのです。
便秘というのは必ずしも排便の回数だけでは無いのです。
食べたものがどれくらいの時間が経ってから便として出たか。
毎日排便があっても、それが1週間も前に食べたものならどうでしょうか?
1週間腸に溜めていた事になります。
そう、真夏の炎天下の生卵と同じようにです!
本来、身体には【胃結腸反射】という動きが備わっているのです。
これは、胃に食べ物が入ると自然に大腸が反射的に動くという事です。
便秘の人は、この【胃結腸反射】の機能が低下していて、食事を食べると直ぐに排便したくなるのは、腸の動きがとても良い証拠です。
食事の回数だけ排便があるのが理想なのです。
消化器外科医である石黒先生は、最近お腹のCTスキャンを撮影すると、大腸内に大量の便が溜まっていることは珍しくないとおっしゃっています。
現代人の多くは便秘傾向にあるのです。
そして、排便はところてんの様に食べた順番に出てくるのです。今の便がいつ食べた物かを調べることも可能です。
【ビーツテスト】と呼ばれるテストです。
ビーツとは、ロシア料理に使われる赤い野菜です。
このビーツを半分ほど摂取すると便が赤くなります。食事をした時から赤い便が出終わるまでの時間が食事通過時間の目安となります。
最近では、業務スーパーでも手に入るので、一度試してみてください。
便秘で腸が動いていないと、肝臓が頑張って毒素を出しても流れていかずに再吸収するおそれもあるのです。せっかく肝臓が毒素を無毒化しても無駄になってしまいます。
便を出すことが最大のデトックスですが、その為にはどうすれば良いのでしょうか?
便秘解消のために医師がファスティングをすすめる理由
健康について考える時に多くの人は、次の事を意識します。
・身体に良い食べ物を摂る
・身体に悪い食べ物を控える
ですが、少し考えてみてください。前述でお伝えしたように、
【身体に良いものを摂取する事を意識している人も多いでしょう。でも、タンパク質の分解能力が落ちている状態ではどうなるのでしょうか?】
身体に良い物を摂り入れることはもちろん重要ですが、それ以上に体内で毒素を排出する力を付けることが重要なのです。
腸内は綺麗になるメカニズムが備わっているので、食事を取らない時間を確保する事。すなわちファスティングを行う事が効果的なのです。
ただ、ファスティング=断食なので、ハードルが高くてやる意欲が出ない人も多いと思います。更に、世の中には食べ物が溢れています。深夜まで営業しているスーパーも多く、コンビニエンスストアも至る所にあります。深夜まで営業している飲食店に、最近では色々なメニューを手軽に配達もしてくれます。
食事を我慢しても直ぐに手に入れる事ができる環境下にいると、つい食べてしまいます。
食べ物のない環境下に身を置くために【断食道場】というものに参加する人も多いようです。
ストレスのたまるファスティングをしても、辛いだけです。
そこで、石黒先生がお勧めする間欠的ファスティングをご紹介します。
間欠的ファスティングの取り入れ方
食べすぎが身体に良くないのは分かっていることです。
健康の為にも食事を控えることが一番で、更に腸内環境を整えることが健康につながるのです。
1日の食事回数の違いを調べた観察結果報告があります。
平均体重66.5kgのアメリカ人を対象に、約2400kcalの食事を1日3食に分けて摂取したグループと、1日1食で摂取したグループに分けて2週間経過観察した研究結果があります。
1日1食のグループでは、体重や体脂肪は明らかに減少していましたが、コレステロールは上昇していました。
これは、1日1食と食事回数は減らしても、普段3回に分けて取っているカロリーの2400kcalを一度に食べることによって当然内臓の働きにも負担が掛かるのです。
例え食事回数が1日1食であっても、満腹になるまで食べるのではなく、腹八分目にしないといけません。
そうすることで、自然と1日の摂取カロリーが減っていきます。
間欠的ファスティングは、1日のうちで、食べる時間と食べない時間とに分ける方法の中でも、【食べない時間に注目】する方法です。
12~20時間程度食事をしない時間をあえて作るのです。
取組みやすいのが、朝ごはんを抜く事です。
例えば、晩御飯を夜の8時に取り、翌朝は控えてお昼12時に取ると16時間ファスティングとなります。
普段から朝ごはんを抜いている人も多いと思います。
どうですか、ファスティングといっても、これなら始めやすいのではないでしょうか。
間欠的ファスティングで期待する効果
私たちの体の中にはたくさんの腸内細菌が存在しています。これらの腸内細菌は、1回の食事で大きく変化します。
又、体内時計の乱れは腸内細菌のバランス悪化に繋がることが示されています。
時差ぼけや長期間の夜勤の人などは、糖尿病や心臓病のリスクも高いです。
間欠的ファスティングを規則正しく行う事は、節度ある食事そのものだと言えます。
食事を摂取していない時間を意識して長くする事によってもたらされるのは、減量効果と腸内環境の改善です。
16時間断食の間欠的ファスティングと通常の食事を8週間継続した結果が報告されています。
16時間断食は【13時、16時、20時】に食事を摂取し
通常の食事は【8時、13時、20時】にそれぞれ同じカロリーの食事を摂取しました。
その結果、16時間断食の方が、炎症を引き起す物質が減少し、炎症を抑える物質が増加しました。これは、心臓病や動脈硬化のリスクが下がることを意味しています。
間欠的ファスティングを行う場合は、食事時間も一定に保つことが必要です。
夕食を食べる場合は、就寝前の3時間前には食べ終わるようにしましょう。食べ終わりのタイミングが遅くなると、腸に過剰に負担がかかってしまうからです。
1日の食事回数が1回の人と2回の人とで比べてみると、体重は減少傾向にあります。
食事回数3回にプラスしておやつも食べる人は年々体重が増加していきます。
そして、1日の最大絶食時間が18時間以上の人では、体重が減少していくとの経過観察結果報告が有ります。これは、単純に絶食時間だけで食べる内容は自由です。そして、絶食時間が11時間以下では体重は増加傾向にあります。
この2つの検査結果だけでも、心臓病や動脈硬化のリスクが下がり体重も減少傾向を示しています。
健康でいたいと願うなら、間欠的ファスティングをやらない理由は無いですよね。
間欠的ファスティングで健康ライフスタイルを!
人間は、本能的に変化を嫌う生き物です。
又、習慣化の生き物でもあります。
断食はハードルが高く、私たちの生活に取り入れるには強い意思が必要となってきますが、間欠的ファスティングを行う事は、比較的取り入れやすいです。
あなたは、寝坊をして朝ごはんを食べ損ねた事はありませんか?
朝の身支度にもう少し時間を掛けたいと思ったことは無いですか?
そう、朝ごはんを食べずに飲み物だけに変えてみてください。
朝、一杯のレモン水や、バター珈琲などもおススメです。
夕食時間は早めにとる事を意識して、睡眠時間を確保する。
そして、ストレスのない生活を送ることで節食生活、すなわち健康的なライフスタイルを維持できます。
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