「なかなか寝付けず翌日の事が心配になる」
「眠れない間に嫌なことを考えてしまい、ますます眠れなくなる…」
こんな経験って誰しもあると思います。
自分の力で眠るって意外と難しく、毎晩の事となると悩んでしまいますよね。
そんな睡眠に対してお悩みの方のために、
睡眠薬についてや、良質な睡眠を取るために実践してほしい5つの事をDr.石黒の教えを基に解説していきます。
睡眠薬の意外な実態
日本では病院へ行けば気軽に睡眠薬が処方されるので、眠れず悩むくらいなら飲んでしまおう!と、深く考えず服用している方もいらっしゃると思います。
実際私も、こんなに簡単にもらえるという事は、それほど大きなリスクも無く、どこの世界でも気軽に服用しているのでは?と軽く考えていました。
しかし、実は睡眠薬の人口当たりの消費量が日本はトップレベルで多いのです。
その年により順位は前後しますが、2015年では日本が最も多いというデータがあります。
2014年から2018年の調査では米国は常に日本の半分以下の消費量しかありません。
なるべく睡眠薬を使わないようにしているという事は、それだけリスクが伴うという事です。
睡眠薬には種類がある
睡眠薬には、脳をリラックスさせる「GABA(ギャバ)」という神経伝達物質の働きを促すお薬のベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系と、自然に近い生理活性物質を刺激する事によって眠りを誘うオレキシン受容体拮抗薬・メラトニン受容体作動薬があります。
GABAは脳の興奮を抑える作用がある神経伝達物質です。
このGABAの作用を強めることで脳の活動を抑え、眠りに導きます。
そのためベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系は即効性があり、飲んでからすぐに眠気が現れて眠る事ができます。
しかし、繰り返し服用することにより依存性が現れたり、耐性がついて効かなくなってしまう事があります。
そして何より怖いのが、これらの薬は認知症を促進する事が2019年の論文で発表されています。長期に渡る服用で認知症のリスクが1・5倍に膨れ上がるのです。
特に3年以上飲んでいる人や、長く作動する薬を飲んでいる人は格段にリスクが上がる事が分かっています。
一方オレキシン受容体拮抗薬は、脳が起きている状態を保つ役割を持つ「オレキシン」の働きを弱めることによって眠りを促します。脳の覚醒に関わるシステムを抑制することによって、睡眠状態へ移行しやすくなるのです。
メラトニン受容体作動薬は、脳内のメラトニン受容体に作用し、体内時計を介することによって、睡眠と覚醒のリズムを整えて睡眠を促します。
メラトニンは体内時計に働きかけ、覚醒と睡眠を切り替えて眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系のお薬に比べて、オレキシン受容体拮抗薬とメラトニン受容体作動薬は依存や耐性などの副作用は少ないものの、本当に自然に眠ることを誘導するものじゃないという事を忘れないで下さい。
やはり基本的には睡眠薬に頼らず、どうやって眠りにつくかを考える必要があります。
良質な睡眠を取るための5つの作戦
日光を浴びる
生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を変化させる機能を持っています。私達人間においても、体温やホルモン分泌など身体の基本的な機能は約24時間のリズムを示すことがわかっています。この約24時間周期のリズムはサーカディアンリズム(概日リズム)と呼ばれます。
このサーカディアンリズム、つまり体内時計で、起きている時間と寝ている時間の調節をどのようにしているかと言うと、実は太陽の光を目に入れる事でリセットしているのです。
リセットの役割のある目の細胞に働きかけるため、太陽の光を目に入れます。そうすることにより12~14時間後にメラトニンが分泌され、自然の眠りを誘ってくれるリズムが出来上がります。
太陽光を浴びる事によりビタミンBも形成されるので、朝は必ず太陽の光を浴びましょう。
夜のブルーライトカット
ブルーライトはとても強い光線で網膜まで達してしまいます。
前述のとおり、私たちは太陽の光で体内時計をリセットしているので、本来日が落ちているはずの時間帯に日と似たような光が眼に入ると、体内時計は狂ってしまいます。
ブルーライトで覚醒のリズムが狂ってしまえば、当然メラトニンの分泌も抑えられてしまいます。
携帯・コンピュータ・電子機器などの光を夜には特に気をつけて欲しいとDr.石黒は話します。
琥珀色などのブルーライトカットメガネの活用を強くおすすめします。
コラーゲンをとる
体の中で最も豊富にあるタンパク質のコラーゲンは、3分の1がグリシンという成分でできています。
このグリシンは体内の炎症を落ち着けて睡眠を誘導する健康的な栄養素です。
人間と動物の研究でも、グリシンの摂取が良い睡眠を誘導する事が分かっています。
もちろんコラーゲンにはよく知られる美肌を保つ効果もあるので、女性には嬉しいことづくしですよね。
グリシンを摂るために、コラーゲンの摂取を是非意識して行ってみてください。
運動
国内外の研究で、運動習慣がある人には不眠が少ない事が分かっています。1回だけの運動では効果が弱く、習慣的に続けることが重要です。
ただし激しい運動は逆に睡眠を妨げます。就寝直前の運動も体を興奮させてしまうので禁物です。
もし今運動をしていないのであれば、悩むよりも身体を動かしたほうが心にも身体にも良い結果を与えてくれるはずです。
睡眠ルーチンを作る
私たち人間の身体は予測可能なルーチンを行うことによって落ち着いてきます。
・毎晩同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
これが理想的ですが、どうしても夜ふかしをしてしまう事はありますよね。
そんな時は、寝る時間が変わってしまっても、起きる時間を一緒にすると良いそうです。
・眠る時には良かった事を考える
悪いことよりは良いことを考えたほうがいいなんて、当たり前の事と言われてしまいそうですが、これにも実はきちんと理由があります。良いこと、感謝の念を頭に入れることによって脳がリラックスするのだそうです。それによって落ち着きを感じ、睡眠が誘発されます。
・寝る直前にリラックスする
カモミールやレモンバームなどのハーブティーを飲んだり、ラベンダーやペパーミントのようなエッセンシャルオイルを使ってみてください。
ペパーミントは眠気を吹き飛ばすと思われがちですが、精神的な緊張を和らげるとともにイライラをしずめ、心身をリラックスさせてくれる作用があるといわれています。
ストレッチや、暖かいシャワーを浴びるのも効果的です。
このように寝る前のルーチンを自分で決めて実行してみると、心身ともに落ち着いてきます。
努力で未来の自分を守る
薬を身体に入れるということは、それにともなって身体のどこかのメカニズムが狂ってしまう可能性があります。もちろん多かれ少なかれリスクもあります。リスクが限りなく少ない薬であっても、それを頻繁に、何年も続けていれば影響はとても大きいものになってしまうでしょう。
眠れないのも、寝不足もとても辛いことです。
しかし、今の努力や工夫が未来の自分の健康に必ず繋がります。
睡眠のために出来ていない事はないか、睡眠の妨げになる事をついついしてしまっていないか。色々なことを試してみて、自分に合った睡眠習慣を是非見つけてみて下さい。
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