ズキズキする膝や重だるい腰の痛みなどの慢性化した関節痛に悩まされている方は多いのではないでしょうか。
そのような痛みは、家事や少しの動作が臆病になるだけでなく、気持ちまで暗くさせます。痛みを少しでも和らげるためにと、病院でリハビリを受けたり、鍼灸マッサージに通ってるのになかなか痛みが改善しない人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
実は、よくある「湿布」や「グルコサミンサプリ」、「腰痛コルセット」などは一時的な対処法であって、根本的な改善になってないという事実を知ってましたか?
今回は『関節痛』をテーマに、3回に分けて痛みの改善に役立つ情報をお届けします。第一回目は「膝や腰のズキッとする痛みとは一体何か?」についてです。
『現役消化器外科医』Dr石黒の知見を元に「痛み」をご説明します。
この説明で痛みの「本当の原因」を知ると共に、痛みを根本から改善していくためには、身体の内側の「腸」と身体の外側の「筋肉・関節」を見直すことが最も効果的であることを理解することができます。
痛みへの正しいアプローチで、長年悩まされていた腰痛や膝痛などの関節痛から解放されましょう!
そもそも「痛み」とは?「痛み」を引き起こす炎症の種類と原因
Dr石黒は「痛み」とは何か?を知ることが痛みに対処するにはとても大切だといいます。痛みは、「身体にピンチな部分があるので早急に手当をしてほしい!」「今すぐ身体を休めてください」というようなサインだといいます。
ほとんどの人が、身体が出しているサインに対して、痛み止めを飲んだり、湿布を貼ったりと「痛みを誤魔化す」アプローチをしています。しかし、このアプローチは、痛みを完全に取り去っているわけではなく、無理に抑え込んでいる一時的な対処法に過ぎないのです。
Dr石黒が言う、痛みへの「本当のアプローチ」は、「どうして痛みが出たのか?」「痛みを引き起こしている場所はどこか?」を考えてアプローチをしてあげることです。そして、この痛みの根本原因こそ、身体の中で起こっている炎症が鍵を握っているといいます。
ここからは「そもそも炎症とは一体何なのか?」についてご説明していきます。
炎症とは、『身体の中で起きている異常状態(細菌感染、外傷などの組織の損害)に対して、身体が痛みや熱、腫脹などを起こしている症状』のことをいいます。これには『体内への異物の侵入や異物化してしまった組織を排除しようとする生体の防御反応』も含まれます。
痛みを取り除くには、炎症が身体の中でどうして起こるのかを知ることが重要です。そしてさらに悪化を引き起こす原因について紐解いていく必要があります。
炎症は大きく分けて2種類あります。それは、「急性の炎症」と「慢性の炎症」です。急性の炎症は怪我や風邪を引いた時に身体が起こす反応です。ぎっくり腰や骨折などが急性の炎症にあたり、この場合炎症が起こっても身体が自然と治そうとする仕組みが働きます。そのため時間が経てば治る可能性があります。
しかし、関節痛の痛みのほとんどは、「慢性の炎症」です。腰痛や膝痛は慢性の炎症のため、急性とは違い、待ってるだけでは治りません。そのため、炎症を起こしている根本の原因にアプローチをしなければ痛みは改善されないのです。ここで痛み止めやステロイドを用いて一時的に炎症を抑えたとしても、薬が切れると再び炎症が起きてしまいます。湿布も一時的にひんやりとして緩和されたように感じますが、やはり根本の解決策ではありません。
この慢性化した炎症の原因には、身体の「内側」と「外側」の2つの原因があります。内側の炎症は、Dr石黒の専門である腸内環境の悪化に関係しているものがほとんどの原因です。外側の炎症は、理学療法士である笹川先生が専門としている筋肉や関節といった体のバランス(外側)の崩れが原因で起こります。
ここからは内側の炎症、そして炎症を引き起こす原因である腸内環境について説明します。
腸内環境と関節痛の関係(内側が原因の炎症)
Dr石黒は、腸内環境の悪化と炎症は密接に関係しているといいます。普段、私たちが口にしている食事が乱れると、腸内細菌のバランスが崩れてしまいます。腸内細菌のバランスが崩れることは腸内環境の悪化を意味しており、これにより身体の内側の炎症が始まるのです。
関節炎をはじめとする関節痛(慢性炎症性疾患)は、腸内環境の悪化から引き起こされることもわかっています。つまり、普段の食事を整え、腸内細菌のバランスを正常に保つことが、体の内側の慢性炎症を改善することにつながると言うことです。実際、関節炎を患う方には、腸内環境が悪化している方が多いこともわかっています。
さらに腸内細菌は免疫機能、栄養吸収と言った生体機能を持っており、実は食事以外にも睡眠や運動、日常的なストレスからも影響を受けています。本来、健康な腸内環境であれば腸内の悪玉菌と善玉菌のバランスが保たれていますが、それらのバランスが崩れると腸が持っている生体機能全般にも悪影響が及ぼされ、身体への痛みなどの反応として出てきます。これは、冒頭でお伝えした体に異常事態が起こっているからです。
腸内細菌のバランスがとれた健康な腸であれば、栄養素をスムーズに通過させる能力があります。しかし、腸内環境が悪くなると、腸の粘膜が炎症を起こし、その結果、細胞同士の隙間が大きくなります。すると、本来通過することのできない消化しきれなかった食べ物などが腸内に侵入し、腸内細菌自体が血液の中に入ってきてしまいます。これを専門的にはリーキーガット(腸が漏れている状態)といいます。
そして、血液中に入った腸内細菌や微生物が毒素を持っていた場合、激しい免疫反応を起こします。免疫反応は、すぐさま毒素を除去するための抗体というものを作ります。これらの抗体は血液に乗って全身をめぐり、身体のいろんな臓器を攻撃し始めます。そして、それが関節を攻撃すると膝や腰の関節炎症を引き起こします。つまり、これらの事実からリーキーガット(腸が漏れている状態)を改善し、腸内の炎症を取り除いてあげることが、関節炎をはじめとする全身の慢性炎症や痛みの改善に繋がるということです。
リーキーガットを改善していくためには、普段から腸内環境を整えるために腸内細菌のバランスを正常に保つような健康的な食生活をすることがとても大切です。食生活の変化は、比較的早く腸内環境を変化させてくれるようです。そして永続的にこのような食生活を続けることが慢性の炎症を取ることにつながり痛みからも解放されます。
筋肉のバランスと関節痛の関係(外側が原因の炎症)
身体の外側の痛みは、特に筋肉のバランス(良く使われる筋肉と使われない筋肉)に大きな差が生じることが原因だと笹川先生は説明されています。
生まれた時点では、筋肉のバランスに崩れているところはありません。しかし歳を追うごとに、片腕でカバンを持つ、足を組んで座る、利き腕といった日常の無意識の癖が、よく使う筋肉と使わない筋肉の差を大きくしていきます。筋肉にアンバランスが生じることで、体の歪みや関節のネジれを引き起こします。歪みやネジレがある状態で体を動かすと、骨同士や筋肉と骨が摩擦を起こして、炎症を引き起こします。
一般的に行われているマッサージや鍼灸治療は、血流を改善させることにより痛みを除去をしています。しかし、これらで得られる血流の改善は一時的な効果でしかありません。なぜなら筋肉のアンバランスさは改善されていないからです。もしあなたが痛みを根本から改善したい場合は、筋力をつけ、関節を安定させることが最も重要な対策なのです。腰のコルセットなども同様に筋肉のアンバランスさを取り除いているわけではなないので、外せば痛みは何度でも襲ってきます。
ちなみに、肩や首などの「凝り」も筋肉のアンバランスさが原因で起こります。バランスが崩れることで筋肉が硬くなり、筋肉内の血流が悪くなることで疲労感や発痛物質が出ます。
慢性的な首や肩の凝りに悩んでいる人も、まず取り組むのは筋肉のアンバランスさの改善であることを理解しておきましょう。
ツラい痛みとさよならするために!
身体の内側と外側の痛みの原因である炎症は、腸内環境を改善するための健康的な食事と、関節を支えてあげる筋肉を動かしてあげるトレーニングが関節痛への真のアプローチだということがわかっていただけたでしょうか。今までの対処法は、痛みへの根本治療ではなかったと、気づかれた方も多いのではないでしょうか。
あれ?それではどんな食事をすれば環境が良くなり、炎症が取れるの?そして肝心のトレーニングは?と思われますよね。
次回は外側の炎症を簡単に取り除ける「10秒でできるトレーニング」についてお伝えいたします。そして最終回として腸内環境を整えて、「痛みをとる食事」をご紹介いたします。乞うご期待!
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