原因不明の体調不良、リーキーガットが原因だった? 医師の目線からリーキーガットを解説

腸活

原因不明の体調不良で悩んだことはありませんか?
病院へ行っても、検査をしても、薬を飲んでも改善しない。そんな原因不明の症状でお悩みの方は意外と多くいらっしゃると思います。
わたしもその一人でした。

疲れが取れずダルい、やる気が出なくてなかなか動けない、食欲が沸かない。
突然の発熱や吐き気や頭痛、座っている事も困難な倦怠感にも苦しみました。
もちろん血液検査を始め、胃カメラやCT、MRI、超音波検査もうけました。
病院へ行くたびに様々な薬も飲みましたが、どれも一時的に症状が軽くなるだけで、つらい症状が治るわけではありませんでした。

なにかこの状態を脱するヒントはないだろうか…
ネットで調べていくうちに「リーキーガット」という言葉に出会い、石黒先生の本にたどり着きました。
初めて聞く方も多くいると思うので、この「リーキーガット」について説明していきます。

リーキーガットとは

リーキーガットとは「リーキー(leaky:漏れる)」と「ガット(gut:腸)」が合わさった言葉です。つまり通常は腸から漏れてはいけないものが漏れ出てしまう状態を指します。

その症状は全身に及びます。胸やけ・食欲低下・消化不良、お腹の張りや過敏性腸症候群のような消化器に異常を感じる人もいれば、
発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛・不眠症・記憶力低下・不安感・疲労感のように、
リーキーガットについて知らなければ決して腸には結びつかないような症状がたくさんあるので、なかなか腸が原因であると疑うことが難しいのです。

私達の腸は食べ物を消化吸収し、毒素や病原菌、ウイルスなどから身体を守ってくれています。
腸には免疫の70%が集まっていると言われるほど、実は身体のとても重要な役割を担っているのです。

そんな大役を務める腸ですが、その厚さは細胞1個分しかありません。
腸粘膜上皮と呼ばれる細胞1個が腸の外と中を分けているのです。

もちろん粘液などの護衛に守られていますし、細胞同士もしっかりと鍵のかかった状態なので、通常簡単に腸の外に漏れ出ることはありません。
しかし、細胞同士の隙間が緩んでしまう事があるのです。

リーキーガットの原因

リーキーガットの原因としてよく知られているのが、小麦に含まれるグルテンです。
グルテンに含まれる成分は腸で特定のタンパク質(ゾヌリン)を誘導し、そのタンパク質が腸細胞の鍵を開けてしまうとされています。

そして、牛乳もリーキーガットの引き金になってしまう可能性があります。私達人間には、牛乳に多く含まれるカゼインという成分を消化することが困難なのです。
頻繁に摂取しすぎると腸内に未消化物が多くなり、腸の炎症に繋がります。
その他、アルコール・カフェイン飲料・着色剤・防腐剤など、リーキーガットを誘発する様々な要因があります。

Dr.石黒によると、リーキーガットの原因には腸内環境が大きく関わっています。
腸の中には細菌や微生物がお互いに利益を出しながら共生しています。
しかし、食生活を含むライフスタイルの乱れやストレスなどが原因で悪玉菌が増加したり、抗生物質などで腸内細菌のバランスに大きな変化があると、腸内環境が乱れてしまいます。
腸内環境が乱れると慢性的に炎症を起こしてしまい、その炎症が腸の壁を損傷して隙間ができてしまうのです。

リーキーガットの影響

リーキーガットになると、本来血流に入らないはずのものが隙間から入り込んでしまいます。
では、血液内に流れてしまうとどうなるのでしょうか。

全身の炎症・肥満

血流に病原菌や毒素、そして未消化の食事成分が入ると、身体の様々な部位に運ばれ炎症を引き起こします。
腸内にあるLPSという物質は、腸内では豊富に認められる一般的な物質ですが、血液に入ると激しい炎症を起こします。さらにLPSの濃度の高い人はエネルギー摂取が増大することがわかっています。LPSの血液内への流入は食欲の増進と体重の増加につながり、肥満にも大いに関係する事になります。

自己免疫疾患

本来血液内に流れ込まない物質が入り込むとその処理をするのは免疫細胞です。免疫細胞が過剰に反応することを強いられ、本来の働き以上に免疫細胞が働く状態が続くと、免疫の調節が次第に狂ってきます。本来体内に侵入してきた物質から守ってくれる抗体ですが、免疫機能の調節に異常が生じると、抗体が自分自身を攻撃してしまう現象が起きます。このような状態を自己免疫疾患と呼びます。

様々な合併症やアレルギー

免疫機能の異常を引き起こしてしまうリーキーガットと喘息、1型糖尿病、セリアック病と呼ばれるような自己免疫疾患はしばしば合併します。更に免疫の異常はアレルギーという形で現れる場合があり、その原因にリーキーガットが隠れている事があります。

リーキーガットの対処法

リーキーガットの原因に大きく関わる腸内細菌ですが、リーキーガットの改善、予防にも腸内細菌が大きな鍵を握っています。
腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸、特に酪酸は腸の粘膜の炎症を抑え、リーキーガットを改善する作用があるのです。

腸内細菌が酪酸を作るには食物繊維が原料としてなくてはなりません。動物性タンパク質中心の低繊維食ではなく、食物繊維を豊富に含む食生活を心がけましょう。

そして私が一度試してみていただきたいのは、リーキーガットと深い関係にある小麦・乳製品の摂取を一定期間断ってみることです。
きっと驚くほどの変化を感じられると思います。

もちろん生活習慣やストレスなど様々な要因がありますが、腸内環境、腸内細菌を大きく左右するのは食生活です。
口から入る物、食事が腸内環境を左右し、悪化にも改善にも繋がります。
食事内容に注目して、腸内細菌が元気であれば、自然と健康な体を手に入れる近道になるはずです。

食生活を変えて好転した私の人生

私は小麦と乳製品をやめてから、悩んでいた症状が嘘のように改善されました。
吐き気・発熱・酷い倦怠感など何かしらの症状が毎日ありましたが、その症状がぱったりと出なくなり、以前よりずっと疲れにくくなりました。
そして驚く事に、10年以上睡眠薬を飲み続け、体質だと思い込んでいた不眠症からも解放されました。

原因の分からない不調が起きていた時は、周りに自分の苦しさを分かってもらえず、体はもちろん心もつらい日々でした。
しかし今では、体調に左右されずやりたい事をやりたい時にできます。
朝起きた時どこにも不調を感じずアクティブに動くことができます。
急な体調不良が怖くて家に引きこもる事も、夜寝る時「明日の自分は元気かな…」なんて悩む事も無くなりました。

健康な人から見ればどれも当たり前のことです。
でも私はこうして、普通の毎日を元気に過ごせることが、何よりも幸せで最高の日々に感じています。

あなたも是非、腸が、身体が、喜ぶ物を食べて、腸内細菌を味方につけてください。
細菌達があなたの健康の手助けとなってくれるはずです。

 

 

 

参考書籍はこちら↓

 

PAGE TOP Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.