【骨】について考えたことはありますか?
歳を重ねるにつれて健康について考える機会も多く、食べ物や、日々の運動を見直す方は多いのではないでしょうか。
現役医師であり女性医療の分野で活躍する太田博明先生は、「骨の力で『見た目』が決まる!」と断言しています。【骨】を見直すだけで肥満や老け顔防止、そして若さまで手に入るというのです。
あなたも予備軍?骨粗鬆症は身近な病気
骨粗鬆症はお年寄りがなるものと思っていませんか。
特に高齢女性特有の病気というのが世間では認識されているのではないでしょうか。
歳を取り、骨が脆くなってしまい、危うく転倒したら骨折してしまった。そしてそれ以降寝たきりになってしまった。。。
女性の寝たきり最大の原因は、骨粗鬆症による骨折です。
一般的に、女性は40代頃から徐々に骨密度が低くなると言われています。そして閉経後から女性ホルモンの減少により年々発症のリスクが増加します。男性の場合は50代前後から増加傾向にあると言われています。日本総人口の1割ほどの1300万人が骨粗鬆症患者ですが、予備軍を含めると全部で2000万人にも及びます。統計的に見ると80%が女性、年齢別だと50歳以上の女性の4人に1人と、とても身近な病気なのです。
そして最近では、この骨粗鬆症がお年寄りだけが気をつける病気ではなくなっているのです。過度なダイエットにより骨量が著しく減少し、骨がもろくなるという問題が起きているのです。特に20代、30代女性は、体重や見た目を気にするが故に、骨への栄養摂取が十分でない人が増えています。すると早くから骨密度の低下が始まり、気づいたころには骨がスカスカ、やがて背、腰、足、手足の骨がいつ折れてもおかしくない状態に。。。。なんてことも多いのです。
骨ホルモンを知って、骨太と若さを手に入れよう!
太田博明先生は、「何歳からでも骨は”若く強くなる”!」 と著書で強調されています。そうなんです。遅くはないのです!
人間の細胞は毎日少しずつ古いものから新しいものへと適切なサイクルで生まれ変わっています。そのため、骨の細胞も、この骨の新陳代謝(骨代謝)により骨は新たに作り替えられます。骨のサイクルは、骨吸収に4週間、骨形成に4ヶ月、骨の1箇所の再構築には合計で5ヶ月ほどかかります。そして全身の骨が入れ替わるのに約2年ほどかかります。
また太田先生によると骨には様々なパワーが秘められていて、「『骨の力』が全身の若さ・強さ・美しさを決めている」といいます。その秘密は【オステオカルシン】という骨細胞から分泌されるホルモンだといいます。
それではオステオカルシン(骨ホルモン)とこのホルモンがもたらす素晴らしい効果をご紹介します。オステオカルシンは骨が分泌する若返り物質です。骨は3種類の細胞(破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞)と骨基質からできています。そのなかで、骨芽細胞は、骨を作り、全体の9%を占めています。この骨芽細胞がオステオカルシンを放出して、全身の若さを保つように様々な臓器、脳、筋肉、膵臓に働きかけるのです。そして筋力、記憶力、免疫力などをアップさせることもわかっています。
以下は太田先生の著書『抜群の若返り!「骨トレ100秒』に記載されている骨ホルモンの主な効果です。
・記憶力を高める
骨芽細胞から血液に放出されたオステオカルシンは、海馬に到達すると、脳神経細胞を活性化させ、「神経回路を活性化させて記憶力を高める働き」をします。このため記憶力の上昇や、認知症予防に効果的と考えられています。
・代謝を高める
オステオカルシンが筋肉に働きかけると、「脂肪が効率よく活動できるエネルギーとして利用」されるため、筋肉内のエネルギー効率を高め、代謝力が高く太りにくい体が自然と形成されます。
・生殖能力を高める
男性ホルモンであるテストステロンの分泌を促します。すなわち、精子の量を増やし動きを活発にしてくれます。
・免疫力を高める
オステオカルシンではないのですが、同じく骨芽細胞から分泌される骨ホルモンである「オステオポンチン」というタンパク質は免疫力を高めてくれます。
・糖尿病予防
オステオカルシンは、膵臓に働きかけると、【インスリン】の分泌を増やし血糖値の上昇を抑えます。また、同時にインスリンの働きを高める【アディポネクチン】(長寿ホルモンと呼ばれる物質)の分泌も促進します。アディポネクチンは「血管を若くして動脈硬化を防いだり、糖尿病を予防・改善する働き」があります。
・老化のもとの【活性酸素】を消す
活性酸素が過剰に発生すると細胞を攻撃し機能が損なわれてしまいます。この現象、酸化ストレスをオステオカルシンは消してくれるのです!アンチエイジングや免疫機能向上の敵を退治してくれる頼もしいホルモンです!
前述したように骨代謝によって骨量や強度は変わってきます。そしてこの骨代謝は生活習慣によって大きく変わることが報告されています。乱れた食事、運動不足、過度のダイエット、喫煙などは新陳代謝を停滞させ骨量も減ってしまいます。
これだけの効果をもたらせてくれる若さの素でもある「オステオカルシン」ホルモンを活性化しつつ骨代謝を上げるにはどうすれば良いかを生活習慣、食べ物の順にご紹介したいと思います。
骨力を高める生活習慣
より骨を強化するためには、骨代謝をよくしなければなりません。まず第一に生活習慣を見直すことです。ここでは太田先生のオススメする誰でもできる簡単「骨トレ」もご紹介します。
・太田先生「骨トレ」のススメ
かかとに衝撃を与えるだけの「かかと落とし」とはどこでも誰でもできる運動です。
「その場で両足の踵を上げて、ストンと落とすだけです。かかとの衝撃が振動となり、細胞に伝わりその負荷に耐えるために細胞が骨量を増やして骨を強くしてくれるのです。」
骨粗鬆症と診断された患者さんでも先生の『骨トレ』メゾットで骨密度の回復が見られたそうです!
・運動のススメ
老化とデスクワークの因果関係は『運動』についての記事でも書かれていますが、座ってる時間が長い人ほど死亡リスクが高まることは研究で報告されています。骨代謝を促すためにもやはり代謝機能をあげるには運動しかありません!
1日20分から40分程度の適度な運動またはウォーキング。
太ももは【第二の心臓】とも言われています。足の筋肉を鍛えることは代謝を高めるだけでなく、「血流」もよくします。「骨筋力」マイオカインという若返るホルモンの分泌も促進します!無理のない程度で、スクワットもオススメです。
・睡眠のススメ
アメリカの研究で、5時間以内の短時間睡眠では骨密度が低下し、骨粗鬆症リスクが増加すると報告されました。睡眠中は成長ホルモンが分泌されます。このホルモンには代謝促進や細胞修復、ホルモンバランス調整などに働きかけます。そして骨を強くする役割もになっています。そのため質の良い十分な睡眠を毎日とるように心がけましょう。
骨をもろくする食べ物
いくら筋力をつけて骨代謝を上げたとしても、骨にとってよくない食べ物を食べているとその効果は半減してしまいます。次のような食べ物は避けた方が良いでしょう。
まずは、避けた方が良い食べ物についてですが、食品添加物、インスタント食品、ジャンクフード、清涼飲料水、スナック菓子などです。これらの摂取に気をつけた方が良い理由は、添加物に含まれる物質が、骨質を劣化させてしまうからです。
スナック菓子や清涼飲料水に含まれる糖質はとても多く、体の糖化を促進します。糖化は糖質が骨や血管のタンパク質と結びつき細胞が劣化することをいいます。骨を弱めるだけでなく老化を早める原因にもなります。
またスナック菓子には防腐剤として添加リン(リン酸塩)が使用されています。このリンは骨量減少の原因になります。おやつにスナック菓子をよく食べる方は、手を伸ばす前に骨の状態を考えてみてくださいね!
過度のアルコール摂取も注意したいところです。理由は主に2つ。アルコールの利尿作用により、カルシウムが過度に排出されてしまい、それが骨粗鬆症のリスクを高めるため。そしてもう1つが、アルコールに含まれるアセトアルデヒドという毒性物質が、骨を形成する骨芽細胞の機能を低下させるためです。
骨強化のために積極的に摂りたい成分
実は、30代前後から既に「骨の力」が徐々に衰えていきます。
それを阻止すべく、骨強化のため積極的に摂取したい成分、及び食べ物をご紹介します。これらの成分はサプリで摂取もできますが、バランスの取れた食事からなるべく摂られることをオススメします。
骨粗鬆症でも正常な骨密度に戻せるほどのスーパー成分がビタミンDとビタミンK。
ビタミンD
カルシウムの吸収をよくして骨を丈夫に。免疫力を高めて病気になりにくい体にもしてくれます。体内で合成されないため食事から摂取する必要がありますが、太陽を1日15分浴びることで十分な量のビタミンDが摂取できます。
豊富な食材:鮭、イワシ、さんまなどの青魚。ひらめ、じゃこ、うなぎ、きくらげ
ビタミンK
骨ホルモン【オステオカルシン】を活性化してくれます。またコラーゲン生成を促進して骨質も改善します。
*血液をサラサラにするワーファリンを服用している方は摂りすぎに注意してください。(血液を固める際に必要なビタミンKの働きを抑えるお薬なので、大量摂取をすると薬の作用が弱まるため)
豊富な食材:納豆(夜摂取がおすすめ)、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、きゅうりの糠漬け
カルシウム
骨の主要成分です。
豊富な食材:牛乳、チーズ、乳製品、小魚、海藻、大豆、緑黄色野菜
マグネシウム
弾力を高め、骨を丈夫にするミネラルです。
豊富な食材:アーモンドなどのナッツ類、魚介類、海藻類、
亜鉛
骨を丈夫にする働き、骨代謝に関わる酵素を活性化させます。
豊富な食材:牡蠣、うなぎ、牛肉、鶏レバー、卵、ごま
カロテノイド
色素成分が骨密度を高める作用があります。
豊富な食材:にんじん、トマト、みかん
骨をつくるタンパク質は8割がコラーゲン、2割が若返りホルモンのオステオカルシンで構成されています。骨にタンパク質は必要ですが、摂りすぎは逆に骨をもろくしてしまいます。特に日本人はタンパク質の消化力が低く、摂りすぎると腸内で消化しきれず腐敗の原因になってしまうことも! お肉ではなく、お魚や大豆でタンパク質を補いましょう。
骨にとって実は腸内環境はとても大切です。なぜなら骨の主成分のカルシウムは腸から吸収されるからです。つまり、腸の働きが悪いとせっかく骨のために摂った栄養素が無駄になってしまうのです。
骨の吸収を高めて若さと健康を手に入れ「寝たきり」人生とは無縁に!
いかがでしたでしょうか?
運動と食事は対になって若返り効果をもたらします。体を動かし健康バランスを考えた骨を強くする食事をうまく取り入れながら太田先生の「かかと落とし」を試してみてはいかがでしょうか?
是非とも今日から家事をしながら、お風呂場で「トントン」と試してみてください。
骨を意識することで、体の内側からも外側からも若返り、骨折知らずの体で生き生きとした人生が送れること間違いなしです。
*興味のある方は骨の吸収に必須な『腸内環境』についての記事もご覧ください!
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