最終回は、関節痛の原因となる炎症を取るための食事についてです。
第一回目でご紹介したように腸内環境と慢性炎症は、密接な関係にあります。慢性炎症を改善するためには、腸内にいる細菌のバランスを整えてあげることが大切です。鍵になるのが、リーキーガット(腸が漏れている状態)をどれだけ早く効果的に改善していけるかです。
リーキーガット:全身の痛みを引き起こす原因、腸内炎症とは(おさらい)
第一回目では、関節の痛みを引き起こしている腸内での炎症を取り除くことが最善のアプローチだとお伝えしました。この腸内での炎症を「リーキーガット(腸が漏れている状態)」といいます。リーキーガットは、ストレスや過食、体に良くない食品の摂取などで引き起こされ、腸内粘膜に大きな穴ができてしまう状態です。この状態で生活することにより、消化されなかった食べ物の成分、毒素が体の中に入ってしまい、全身に炎症が引き起こされます。つまり、どれだけ痛みを改善するケアをしても効果を感じることが難しいということです。
腸内の炎症を起こすのを防ぐためには、リーキーガットを防ぐため腸内環境を改善することが不可欠です。ここからは、改善するために積極的に摂取したい食品とリーキーガットを悪化させてしまう避けるべき食品についてご紹介します。
善玉菌を増やしてくれる! 腸に優しい食品!
腸内環境を良くするには、善玉菌を増やし腸内細菌のバランスをよくしてあげることが大切です! Dr石黒のオススメするファーストステップは、健康的なホールフードを積極的に摂ることです。ホールフードとは「まるごと食べる」という意味から、加工などされていない自然食品のことをいいます。つまり皮まで食べられる安全で新鮮な野菜や果物です。善玉菌は葉物野菜や食物繊維をとても好むため、これらを食べることで善玉菌がどんどんと腸内で育ってくれます。また、ホールフードは農薬など危険な化学物質が使用されず育っているため、安全で皮まで食べれるため普通の野菜や果物よりも栄養素が多く含まれています。
次なるステップとしては、欧米型の食生活を避けることです。この後に詳しく説明しますが、牛乳、卵、ミルク、小麦などをふんだんに使っている欧米型の食事は、関節痛の根本的な原因である腸内での炎症の引き金になります。
これだけは気をつけろ! 摂ってはいけない食品!
リーキーガット(腸が漏れている状態)の天敵となる栄養素は、糖と油の2つです。これらが体内に入ると腸だけではなく体に与えるダメージも大きいため、今日からでも、すぐに食生活を改善できれば試してみてください!
ー糖についてー
糖は老化現象を起こす代表的な食べ物であり、私たちは日々、糖を含む食べ物を大量に摂取しています。
ここでお伝えする糖とは、砂糖のことですが、これはブドウ糖を含んでいる物全てを指します。パン、パスタ、ご飯、果物といった多くの食べ物に糖は含まれており、毎日大量に摂取した糖が体内に入ってきます。体内に入ってきた糖を全て処理できるわけではなく、余った糖は、タンパク質や脂質が糖と結びつき「糖化」という現象を引き起こします。これが、いわゆる老化の原因になるのです。さらに糖化は、細胞の炎症も引き起こします。糖化により作られる「AGE」(糖化最終生成物)という物質が活性酵素を引き起こし体の至る所で悪さをするからです。
そもそも私達の先祖は1日におよそ15〜20gの糖を摂取するような生活をしていました。そのため、そのDNAを引き継ぐ私たちの体も当然、同じような量を消化、分解するようにプログラムされています。しかし、現代の食生活ではそれをはるかに超えてしまい、糖化のスピードは加速していきます。参考までに食品に含まれる糖の量をご紹介いたします。
白米茶碗1杯/55g
6枚切りパン1枚/27g
ミートスパゲッティ/78g
ジュース類一本/100g
この他にもおやつ、ケチャップ、ドレッシング、コーヒーや炭酸などの飲料水にも大量の糖が含まれています。相当意識的に糖を取らない生活をしない限り過剰摂取になってしまいます。だからといって、カロリーゼロの人工甘味料に置き換えればいいかというと、そうでもありません。人工というだけあって、様々な危険が潜んでいるため安易にカロリーゼロ食品を摂取するのは健康を害することになってしまいます。
この中でもパンは特に注意が必要です。原料が小麦であるパンは、市場に出回るほとんどの小麦が品種改良の末の物なため、グルテンというタンパク質成分を多く含むからです。遺伝子組換え植物のような人工的な小麦は安全性が確認されていないだけでなく、グルテンはリーキーガットを特に引き起こしやすいということもわかっています。また、小麦は血糖値を急激にあげることから、繰り返し摂取したくなるような依存性、中毒性があるので注意が必要です。
いかに糖を普段から摂取しているのかがお分かりいただけたでしょうか?糖を全て除去するのは難しいとしても、なるべく依存しやすい小麦製品を避けたり、ステビア、羅漢果、キシリトールといった自然の甘味を使用して調理するなどして糖の摂取を控えるようにしてみてください。
ー油についてー
Dr.石黒は、油もまた痛み・炎症に大きく関係していると言います。人間の細胞自体も油でできており、体にいい油を取れば健康になる。体に悪い油を取れば、健康に悪い影響を与えることになります。また関節を構成する軟骨や関節液も油で作られているため、悪い油を取ることで関節に悪い影響を及ぼします。その結果、関節痛や炎症が起こるのです。
複数種類ある油の中でも、必須脂肪酸は取るべき油と覚えておいてください。必須脂肪酸は動脈硬化や血栓を防ぎ、血液を下げるなど様々な体にプラスな作用をしてくれます。しかし、体内では作ることができないため、食事から摂取する必要があります。今まで必須脂肪酸なんて聞いたこともない!という方は、下で〈健康的な油〉の種類を伝えますので、これを機に油を見直し、良い油を摂り入れることが大切です。
また、避けるべき油として植物油を覚えておきましょう。この油は体に炎症を起こす油なので、すぐにでも摂取をやめるようにしましょう。植物油は、大豆やコーンから精製されていて、使用される大豆やコーンは遺伝子組換えによる大量生産されたものが多くアメリカの研究では乳癌、前立腺癌、大腸癌が増えているという結果も報告されています。
《体に炎症を起こす油》
菜種油、ショートニング、コーン油、ごま油、大豆油、ひまわり油、マーガリン、米油、ピーナッツ油、市販の牛乳、ヨーグルト、市販のバター
《健康的な油:鮮度である、純粋であるもの、油を摂る方法にも注意(昔ながらの方法)》
アボカド、オーガニックバター(グラスフェッド生乳)、オーガニッククリーム(グラスフェッド生乳)、新鮮な魚油、オリーブオイル、ココナッツオイル、亜麻仁油(新鮮)、チアシード、麻の油(ヘンプシード)、グラスフェッドの家畜の肉(牛、鶏、鹿、羊)、グラスフェッドの家畜の乳(牛、羊、山羊)、チーズ、ヨーグルト
必須脂肪酸の中でもオメガ3は特に炎症を抑えると言われ、新鮮な魚、くるみ、ヘンプシード、チアシードなどに含まれています。これらの食材を取り入れるのも炎症を防ぐのにとても効果的です。
良質な油という観点から、外食には危ない油(調理に何度も使った油、トランス脂肪酸)が多く使用されています。外食が多い人はなるべく控え悪い油を口にする回数を減らす努力をし、自炊を心がけましょう。
ーサプリメントについてー
皆さんがよく目にするオメガ3やそれに関連するEPAやDHAなどといったサプリメントは手軽に摂取できます。しかしDr石黒はなるべくサプリメントには頼らず、食品から良質な油や栄養素を摂ることをススメています。
なぜなら、そもそもオメガ3は酸化しやすく、サプリメントには適さないからです。製造する過程で高温にしてカプセルに入れるため、本来の効果がなくなっている可能性もあります。
その他にもカプセルに使われている成分が添加物など含まれていないかといった体への安全性も確かではありません。
長年の痛みから解放されて明るく楽しい毎日を!
ここまで3回にわたって関節痛について情報をお伝えしてきました。体の内側からも外側からも炎症を取り去ることで、痛みゼロの生活を手に入れましょう。
そのために、普段口にする食べ物、添加物などの加工食品を避け、体が喜ぶ食事をとって健康的な腸を手に入れることが大切です。そして長年苦しんだツラい痛みと別れを告げて、心も体も元気で明るく、より楽しく活発的な毎日を過ごしてください。
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